2019年5月25日土曜日

-2019年度- 第2回「英語でまなぶコンピュータ・サイエンス」開催レポート

2019年5月19日(日曜日)、熊本県合志市にある熊本高等専門学校にて、子ども向けプログラミング教室「英語でまなぶコンピュータ・サイエンス」を開催しました。
今年度に入って2回目の開催となる当ワークショップですが、今回もシアトルのSIJP(Seattle IT Japanese Professionals)主導のもと、シアトルと福岡、そして熊本の3会場をネット中継で繋ぎ、英語を使ったクイズやアクティビティを通してコンピュータロジックの基礎を楽しく学んでいきます。(福岡会場の開催レポートはこちら。
熊本会場の参加者は子どもたちが7名とその保護者の方々を合わせて約15名。また、ボランティアスタッフとして熊本高専の学生さんたちも6名集まってくれました。
授業はスライドの流れに沿って進んでいき、始めは各会場の講師やスタッフの紹介を行い、参加者の子どもたちには今回の授業で使用するアクティブラーニングツール「Wooclap」の使い方に慣れてもらうため、パソコンを使って「Wooclap」のページから今の自分の気持ちを画面に入力してもらいました。入力した各会場の子どもたちの回答はネット上で集計され、その結果は「Wooclap」内の画面で共有されます。英語で“happy”や“soso”と答えてくれた子もいれば、日本語で“楽しみです”の他“英語がわからない”といった回答もありました。

次に「Mystery Animal」というゲームを行いました。これはGoogle ChromeのWebサイト上に現れる正体の分からない動物に対して英語で質問を投げかけ、その答えから動物の正体を推測して当てるというクイズです。“Do you have a tail?”や“Can you swim?”など質問内容は事前に子どもたちに宿題として考えて来てもらい、その質問をもとにシアトルの子が1人代表してゲームを行います。各会場の子どもたちはそのやり取りを見て、みんなで動物の正体を考えます。

一見コンピュータロジックとはあまり関係のなさそうなこのゲームですが、コンピュータは内部的に電気信号の有無、つまり、1(ある)か0(ない)かによってあらゆる動作を行っています。質問に対する動物の回答が“yes”か“no”によって答えが分岐していく(絞られていく)過程は、コンピュータの動作原理と似ており、それを子どもたちに体験して理解してもらうのがこのゲームのねらいです。

その後、コンピュータロジックの基礎であるAND、OR、NOT、FOLLOWなど「論理演算」を学ぶためのアクティビティを行いました。両手を使って行うアクティビティで、親指を立てた形が「1」、親指を立てないグーの形を「0」として、スタッフの命令と動きに従って体を動かしながら、それぞれの命令の違いについて理解を深めます。「論理演算」と聞くと難しそうに感じますが、実は普段の生活の中でもみなさんが何気なく行っている考え方です。子どもたちも最初はあまり自信がなさそうでしたが、次第に理解してきたようで「AGREE!OR!NOT!」と元気な声を出しながら楽しんでいました。


後半は、よりコンピュータロジックの仕組みについて慣れてもらうため「モンスターバトルゲーム」を行いました。
ルールは簡単で、子どもたちにまず2枚のモンスターカードを渡します。床に張り付けられたテープに沿って歩いていき、途中いくつか設けられた質問に答えながら先に進みます。そしてスタッフとジャンケンをして、勝てばモンスターを倒したとみなされ手元のモンスターカードを1枚回収。“負け”か“あいこ”ならばそのまま先に進みます。これを3周繰り返してゴールを目指すというもの。途中の質問は全て“yes”か“no”で答え、その答えによって道が分かれたり、モンスターが復活したりします。これも「1」か「0」の二進数で行われるコンピュータ内部での処理の過程を体験してもらうのがねらいで、同時に「分岐」や「条件」といったことついてもゲームを通して楽しみながら学ぶことができます。


モンスターバトルの後は補足情報として「ベン図」についての説明を簡単に行いました。「ベン図」とは複数の集合の関係を視覚的にわかりやすく図に表したもので、イギリスの数学者のジョン・ベンという人が考えたものです。
前半で学んだ「論理演算」のAND、OR、NOTなどの考え方についても、こちらの図をつかって整理して考えてみるとより理解しやすくなります。

最後に今回の授業のおさらいとして、クイズアプリの「Kahoot!」を使っていくつかの問題に挑戦してもらいました。正解数に応じてそれぞれポイントがもらえ、その得点数を競います。毎回、早押しクイズとして盛り上がるこの時間。問題は全て英語なので、まず質問を理解することも難しいのですが、なんと今回は総合得点が1位と2位の子が熊本の会場から出ました。

終了後は、参加した子どもたちにアンケートを実施。
アンケートでは、①授業の内容や学習に対する興味・関心、②先生が話していた英語の理解度、③取り上げた内容に関する理解度、④参加してよかったかどうかの満足度について、それぞれ1~5の5段階で評価してもらいました。
今回、熊本会場の子どもたちの「①興味・関心」についてのスコアは4.16と高く、授業内容について面白い、興味深いと感じた子どもが多かったようです。一方で、「②英語の理解度」(スコア:3.33)や「③授業内容の理解度」(スコア:4)については、個人の英語力の差によりばらつきが見られたようです。英語が苦手な子どもたちに対してどのようにサポートしていくかが課題です。
「④満足度」についてはスコアが4.83と非常に高く、今回の取り組みのようにゲームや遊びを通してコンピュータ・サイエンスを学ぶ機会、また世界との繋がりを感じられる場の需要を改めて強く認識させられました。

その他、今回アンケートに寄せられた意見や感想は次のとおりです。 
■よかった点 
  • カラフルな質問、可愛いキャラクター、ゲーム感覚でできるところが良かった(福岡) 
  • ゲームなどの楽しいことがいろいろできて、退屈しないで勉強することができた(福岡) 
  • コンピューターロジックを知った(福岡) 
  • kahoot!が良かった(熊本) 

■改善してほしい点 
  • これは何の為にどういうところで役立つ内容なのか、もう少し詳しく説明してほしかった(福岡) 
  • 同時通訳がほしい(福岡) 

■意見や感想 
  • 日本の二つの街とコネクションしているという素晴らしい設定なので、もう少し日本の子供たちとのインターラクションがあると良いと思います。(福岡) 
  • 英語やプログラミングがある程度わかるひとには楽しい内容だったと思います。どちらかができない人には理解が難しい内容でした。(福岡) 
  • 難しかったが面白かった(熊本) 

昨年度から継続して行われている「英語でまなぶコンピュータ・サイエンス」も、今年度に入ってから2回目の開催となりました。毎回、各会場との通信環境の改善、また英語が苦手な子どもたちに対するサポートが課題ではありますが、今回も優秀なボランティアスタッフたちの協力もあり何とか無事に終えることが出来ました。ひいてはこの取り組みの輪がさらに広がり、子どもたちにとってより魅力的な学びの場となれるよう今後も励んでまいります。 

次回の開催もどうぞお楽しみに。

★福岡会場の開催レポートが、Kids Code Club のウェブサイトに公開されています。是非、ご覧になってください。→【開催レポート】英語で学ぶコンピュータ・サイエンスvol.2 第2回:コンピュータロジックを楽しく学ぼう | Kids Code Club キッズコードクラブ